読書感想文⑫ 雪舟えま『ナニュークたちの星座』
ショップ店員さんの独特な呼び込みの起源が気になります。
アパレルのショップ店員に限らないですよね。
今日帰り道に某シュークリーム店に立ち寄ったのですが、
てん×●◎□〜〜●◎□り〜×○□っかあ〜〜
え?
店舗げんっていのミルっバニラっクリーmっ、いーかーがーでーしょうかあ〜〜
ん?
「店舗限定のミルクバニラクリームはいかがでしょうか〜」?!?!?!
え〜〜!!!!!!
てことがありました。(しょうもない)
なんですかね、あの声帯をぶるぶる〜〜っとさせる発声方法は。
妙に響き渡る、ね。
あの喋り方、だれがはじめたんでしょうね。
柳原可奈子さんがモノマネしだした頃のショップ店員さんたちは、なんとなーく恥ずかしかったりしたんですかね。
タイムセールの大声呼び込みを押し付け合うとかしたんですかね。
飲み会の余興で柳原可奈子のモノマネをしたりしたんですかね。
なんてな。
雪舟えま『ナニュークたちの星座』。
エモすぎる装丁に惹かれ、即購入した一冊。
あらすじを何も把握せずに手に入れたため、衝動買いの割には読むまで時間がかかりました。
私は普段、SF作品は近しくないのですが、詩的な文たちにときめきながら、さらさらと世界に吸い込まれ読むことができました。
舞台は、地球人が植民地、いや植民星にした宇宙のどこかの星です。
「ナニューク」というのは、表紙にふわふわと浮いている子供たちを指します。
この子供たちは、植民星で地球人が生きるのに欠かせない、青に光る石を探すために作られたクローン。
なんと、その石は子供の目にしか見えないのです。
互いを「22」「25」と番号で呼び合い、絆を深めナニュークたち。
しかし、石を見つけることができなくなる、つまり、子供ではなくなる、成長を果たしてしまうことは避けられません。
必要とされていたのに、いつのまにか不必要に思われる。
だれもが大人になるには、それを経験する。
石を見つけることができなくなったナニュークたちのうちのひとりが、かつての相棒の失踪をきっかけに、都会へ繰り出し、捜索活動をし始めます。
はじめて自身の目で見た都会のなかで、ひとりのナニュークははじめて「自分」と向き合っていく。
石を見つけることができない「自分」には、一体何ができるのか? 何をもって必要とされるのか?
可愛らしい絵と、詩的なことばの連なり。
しかし、内容は考えさせられることがどっさりあります。
(10代の頃に読んでいたなら、思い悩んでいたかもしれないなあ)
ページ数も多くありません。
ぜひ、息抜きに、ナニュークたちのいざなう不思議なSFワールドに入ってみてはいかがでしょうか。
適当に買ったりんごを切ると、蜜がたっぷり!
透けるほどの蜜りんごは、初めてでした。
今日は短めで。
今週もまだまだなのでね。
みんな、がんばっちゃおうね。