読書感想文⑤ 氏田雄介『54字の物語』
欅坂46が好きです。
秋元康プロデュースのAKB48の公式ライバルとしてデビューした、超絶カワイ子ちゃん軍団・乃木坂46の姉妹グループとしてメンバーオーディションが開催された欅坂46。
(豆知識:オーディション段階では「鳥居坂46」というグループ名だったのだ!)
ミュージックビデオの再生回数が現在1億回以上を記録している、「サイレントマジョリティー」で華々しいデビューを果たした彼女たち。
欅坂46「サイレントマジョリティー」との出会いは、某動画アプリの「あなたへのおすすめ」がきっかけ。
あの機能って不思議ですよね、
なんだ、最近やたらとこのアイドルのMV、目につくなあ。
と最初は疎ましく思っていました。でも。
しゃあねえ見てやるか。
陰謀通りですよね、見てしまったが最後、
え、何この曲、
へえ、「サイレントマジョリティー」ね。
え、何この歌詞、
「先行く人が振り返り列を乱すなと
ルールを説くけどその目は死んでいる」
「誰かの後ついて行けば傷つかないけど
その群れが総意だとひとまとめにされる」
「君は君らしく生きていく自由があるんだ」
「ここにいる人の数だけ道はある」
ぐさっ。(お先真っ暗絶望期にこの歌詞は心に刺さります……)
え、何この真ん中の子、
平手友梨奈、ひらてってすごい名字だな、ん?! 14歳?! 最年少センター?! 14歳でこの大所帯の顔に?! それでこの液晶を突き抜く強烈な目力?! どんな14年を歩んできたの?! 何やってんだ自分?!(当時21歳)
え、何このグループ、
ケヤキザカフォーティーシックスーーー!!!!!
はい。沼にはまりました。
ものの4分27秒で。
「あなたへのおすすめ」、あなどれません。
それからというもの、結構「おすすめ」は視聴しますね。
ホームラン率でいうと、実に五分五分ですが。
最近の「おすすめ」収穫は、シンガーソングライターのずっと真夜中でいいのに。という人? グループ? です。
アーティスト名が「ずっと真夜中でいいのに。」
エモい。
それでも、欅ほどの最速沼は未だ更新されていません。
一言いえるのは、
中学生のころに、欅に出会っていたらヤバかった。
(反抗期にあの歌詞はグレるしかないだろ)
本日の感想文は、ウェイト軽めで参ります。
氏田雄介『意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語』。
何がウェイト軽めかって、タイトルで全部言っちゃってくれているからです。
そう、この本は意味がわかるとゾクゾクする超短編小説なのです。
「超」の次元が違います。54字ですよ、54字。
原稿用紙なら、9×6です。9マスが6行。
こんな感じです。
みじかー!
超短編―!!
でしょう。
……もう言うこと、ない。
わけありません。
こういう、人の目を惹くおもしろい本は、タイトルで無駄な情報をそぎ落としてしまいます。
無駄な、といいますか、方向性を固めるために、少しテイストの違ったものに関しては言及しない、ということです。
だって、全編191頁の間、ずーーーーーーーーーーっと、読む→意味わかる→ひえっゾクゾク! の繰り返しはさすがにつまらんでしょう。
ですので、本日は、素晴らしく言葉足らずなタイトルを纏った『意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語』の意図して隠された魅力をお伝えできるように、がんばっちゃいます。
まずは、スタンダードにゾクゾクを紹介いたしましょう。
一人の男の一人称が「俺」「僕」と揺れています。
ということは、この男は、二重人格……!
ひえっゾクゾク~~!
決してふざけてはいない、ケッシテ。
この本の何がすごいって、そりゃあ超短編なわけだから、90話も収録されていることろですよ。
90話で191頁? どっかの頁で異次元にでも飛ばされるのか?
と思った、鋭いそこのあなた。
いやいや~、異次元に飛ばされるなんてお茶目なこと言ってなさんな~。
なんと、90話ひとつひとつに親切な解説がされているのです。
ですので、もし、54字じゃ自分にこの話は理解できねえ! ってときにはためらいもなく次の頁を開いてみましょう。
本当に親切に、ユーモアも交えて、解説がなされています。
安心して、ゾクゾクしてくださいな。
ゾクゾクではありませんが、ゾクゾク以外の秀逸な54字物語がとても豊富です。
(個人的にはこちらの方がツボです。)
54字という制限を見事、ものにしていますよね。
一本とられた!そんな楽しさと少しの悔しさの交じった、なんだか良い心地を体感していただきたいです。
ちなみにこの本、30分あれば読破できます。
通勤通学の、お昼休みの、寝る前のお供にぜひどうぞ。
欅坂46、2/27に新曲「黒い羊」をリリースします。
リリースに先立って、本日、MVが公開されました。
欅、全開。
本の考察は好きなのですが、MVの考察は面倒なので、いつも、
あ〜、このシーンだれか考察して〜〜解説して〜〜
と首を長くして待つのみ。
もちろん、只今、首伸びてます。
土日は漫画感想文にしようか検討中。