読書感想文⑬ 乙一『失踪HOLIDAY』
心がポキッ、と折れたとき。
みなさんは、次のうちどちらを求めますか?
①奮い立たせるもの
②許してくれるもの
私は、圧倒的に後者です。
心がピヨピヨなので、奮い立たされるのはちょっと。
いまは落ち込みたい気分だから!
と、思春期ばりにワガママ、駄々こねちゃんです。
いい、いい、そのままでいいよ〜〜
って許してくれる何かを求めてしまいます。
それは人だったり、歌だったり、漫画だったり、小説だったり。
学生時代を思い返すと、もっといろんな人に相談していれば良かったなあ、と悔やんだり。
相談できるほど、自分が何に悲しんでいて、何が悔しくて、何を悩んでいるのか自覚できるほどの脳がないんですね。
「何」を理解する前に、だいたい涙になって、ひとしきり泣く。
泣く自分に酔っているんですかね。
やっぱり、脳みそがけっこう足りない。(ばか)
両親の話になりますが、先ほどのどちらを求めますか? てやつ、私にとって、前者が父で後者が母で。
やっぱりピヨピヨメンタルなので、相談事は母へ、でした。
(それでも、数は少ないと思う)
父には、強烈な反抗期もあったことですし、生きていて今まで、相談というものをした記憶がない。ごめんなさい。
相談して、奮い立たされて、奮い立てる、そんな屈強な人間に、私はなりたい。
乙一『失踪HOLIDAY』。
画像はネットから失敬いたしました。
乙一先生、再登場。
『失踪HOLIDAY』は、反抗期真っ盛りの頃に読み耽った小説です。
だらだらと文字を打っているうちに懐かしくなって。
何年越しだ? 10年越しの読書感想文。
ちゃんと書けるかしら。
魅力伝えられるかしら。
がんばっちゃいますよ。
早速、『失踪HOLIDAY』と関係があるようでない話をしようと思います。
『失踪HOLIDAY』には、「しあわせは子猫のかたち」という、訳あり物件で一人暮らしを始める大学生と、一匹の子猫のお話が、巻頭短編としておさめられているのですが、
これが、私、大好きです。
乙一先生の作風の特徴については、以前、「読書感想文②」にて、綴ったとおりです。
要点をまとめると、
・ホラーが得意
・ホラー以外もいけちゃう
・『暗いところで待ち合わせ』おもろい
です。
どうどう? わかりやすい? センキュー。
「しあわせは子猫のかたち」は、『暗いところで待ち合わせ』と同じような、文字の羅列が柔らかく暖かい空気となり、さらりと頬をなでるような、そんな作品です。
はい、では本題。
『失踪HOLIDAY』の主人公は、すこーし生意気で頭の冴える女の子、ナオ。
中学2年生の冬休み、義理の母「ママ母」との不仲をキッカケに、「ママ母」の評判を落とすために失踪することを決めるのです!
しかもこの偽造失踪、なかなか手の込んだもので、ナオはさんざん周りの大人たちを振り回します。
この本を読んだ当時は、ナオと同じ中学生で、反抗期で。
大人をこらしめるナオにスカッとしたり、しなかったり。
さらに、アニメや漫画、ドラマにもなるほど、キャッチーなお話です。
しかし!
いくらキャッチーだといっても、
乙一先生らしい、ウィットに富んだ地の文には、健在。敬服の念。ははー
ぜひ、読んでみてはいかがでしょうか。
反抗期の自分を思い出し、恥じらいながら、ナオの失踪に釘付けになること間違いなしです。
反抗期、今思うとすごかったなあ〜〜
特殊すぎる私のやべえ反抗期の話は、
今度にしよう。
書く練習してたら、ちょっと元気になった。